Puppy Linuxが楽しい話

 これはKCSアドベントカレンダー2021の記事です

こんにちは。AI班所属(?)のKanadeです。AI班所属らしく機械学習関連の論文を読んだりPRMLを読んだりKaggleに興味を持ったりはしていますが、最近は専ら色んなLinux Distroを弄るのにはまっています。今度Linux弄る用のパソコンを組むことを考えているくらいにははまっています。今日はAIじゃなくてそっち系の話題でお茶を濁していきます。

 9月頃に家に転がっていた中古パソコンにUbuntuを入れて早3か月がたとうとしている今、Xubuntu, Fedora, elementary OS, Zorin OS, antiX, Linux mintなどを実機で動かし、VirtualBoxというおもちゃ箱を手に入れてから、Lubuntu, Kubuntu, pop! OS, Cent OS, MX Linux, Mageia, Alter Linux, Free BSD, Haiku(?)とLinux以外でもOSを触り始めたり OS沼にすっかりつかりました。本日はその中でもかわいい子犬さんを紹介します。

Puppy Linux が楽しい

 さて、沼の入り口、家に転がっていた中古パソコンに今日の本題Puppy LinuxをFlugal installしました。このパソコンにはUbuntuの代わりにLinux Mintを入れていたのですが、それと形式的にはデュアルブートをしています。Frugal installについては後述します。さて、はじめに中古パソコンのスペックを確認しましょう。

  • 内蔵HDD 640GB
  • 搭載メモリ 2048MB(2GB)
  • CPU Intel(R) Pentium(R) 2130 MHz

 私が小学生のときにニコニコ動画を見るために使っていたパソコンですのでおよそ10年前のPentiumでした。もともとWindows7が入っていましたが、今のパソコンに比べてネットサーフィン時の動作はもっさりしていました。いざ、Ubuntuをいれてみて「軽なった!ガハハ!」と思っていたのもつかの間、現在使用中の8世代Core i3で動作させたZorin OSの快適さに愕然。マシンスペックの違いを見せつけられたわけです。

 Linux Distro漁りも少し飽きてきた最近、超軽量Distroで有名なPuppy LinuxのCDディスクを作っていたことを思い出しました。2か月前、USBからの起動で起きた謎のエラーと奮闘してあきらめ、放置していたのでした。ある日、諦めて中古パソコンで素直にCDから起動させてみることに。するとどうでしょう。10年前のPentiumノーパソで快適にネットサーフィンができるではありませんか。さらにLibreOfficeで普通に文書作成もできるではありませんか。早速Puppy Linuxについて語っていきます。

Puppy Linuxについて

これは私が今使っているPuppy Linuxのデスクトップです。

 Fossapup64 9.5 は現在最新のPuppy Linuxです。日本語版Puppy Linuxが出ていたりしましたが、8年前のものだったり最新のバージョンでは日本語版はリリースされていません。しかし、有志により簡単に日本語化できるパッケージが用意されています。感謝。

さて、超軽量といわれるPuppyですが、いくつかの特徴を持っています。

  • fossapup.saveファイルをストレージに保存することでCD起動時の状態を保存できる
  • というかisoファイルがCDサイズに収まる(700MB)
  • システムをRAMに書き込んで起動
  • Flugal install を推奨している

それぞれかなり面白い特徴がありますので軽く説明を加えます。

 基本的にLinuxはインストールディスクからの試用していたときに加えた変更は失われます。puppyも例外ではないのですが、puppyではsaveファイルをストレージに忍び込ませることによって変更を保存することができます。これが「Puppy LinuxはCD駆動が可能」といわれる理由です。これによりストレージデータのサルベージにも使えそうです。

 最近のきれいなデスクトップ指向のLinux distroのisoファイルは1GB以上はもちろん、2,3GB以上あることはザラです。ちなみにWindows10は5.0GB, Ubuntu20.04 LTSは2.2GB(多分)、Cent OS 8は約10GBでした。ところが、PuppyはCD容量に収まります。700MBのデスクトップ指向distroはPuppy以外見たことがありません。DVDすら主流じゃなくなった今、読み込み速度も遅いCDを無理に使う必要はありませんがデータは軽いに越したことはありません。

 Puppyが高速に動作する理由、それはブート方法にあります。Puppyは起動時システムをRAMに書き込んで動作させます。詳しいメカニズムは理解していませんが、RAMにシステムがあるため、動作が速く、またストレージ無しのパソコンでも動作します。ジャンク屋によく「HDDなし」表記でえらく安く売られている中古パソコンがありますがあれでも動きます。saveはできないけど。

 最後にFrugal installができる点。Frugal installとはpuppy特有のインストール方法で、puppy専用のパーティションを用意することなく、他のext4ファイルシステムでフォーマットされたパーティションにインストールできます。つまり、他のLinuxのファイルに忍び込ませることができます。わざわざパーティションを用意する必要がない、という点で手軽な感じがします。

 こんな感じで他のLinux Distroとは一味違うPuppy Linux 、Puppy Linux派生のDistroもたくさんあります。ぜひ、手に取ってみてはいかがでしょうか。とりあえずインスコしましょ。

Posted on: 2021年12月8日, by :