十二技音法を使ってみた
これはKCS AdventCalendar2019 18日目の記事です
どーも、まんたあにど です。
前回(13日目)はうちの子がいると人生楽しくなるよ、という趣旨の記事を書きましたが、今回は音楽班らしく音楽に関することを簡潔に書きたいと思います。
作曲というと、コード進行やスケールといったことを思い浮かべるかもしれません。よく耳にするような、現在主流でつくられている曲にはそういった技法のほかに転調やハ長調といった調が存在します。
この調に対するアンチテーゼとして挙げられた音楽の一つである十二技音法について紹介したいと思います。この方法はコード理論のように複雑なものではなく、単純明快で非常にわかりやすく、且つ簡素で実践しやすいという点で初心者にもとっつきやすいものであると思います。
この記事が何かの役に立てられれば幸いです。
背景
音楽への試みは古来から行われ、モーツァルトやベートーヴェンで有名な古典派、ワーグナーやブラームスで知られるロマン派など、歴史的に幾多もの形式が誕生した。そんな中、20世紀初頭になるとこれら調性音楽とは違う方法で作曲を試みる機運が生まれ、シェーンベルクらによって調性に基づかない音楽、「無調音楽」が生まれた。十二技音法は無調音楽への試みの中で、主にそのシェーンベルクによって提唱された技法であった。しかし、無調音楽からはいわゆる名曲が生まれず、現在でも愛好家たちによって様々な試みがなされている。
概要
そもそも十二技音法とは何ぞや、という話ですが、簡単に言えば鍵盤一オクターブ分にある白鍵と黒鍵を全部用いて曲を作るという方法です。半音も含めてドレミファソラシを好きなように全部並べて旋律を作るという感じです。背景にもある通り、調性音楽への試みが長年行われ続け、その果てに登場した音楽による作曲方法でもあるので、その雰囲気は調性音楽のそれとは全くの別物で、なんだかグチャグチャしたような不可解な印象を受けるかもしれません。このような特徴を持っているので、ゲームでいうラスボス戦やホラーな場面に利用されることがあります。例えば有名なところでは、ドラゴンクエストの『大魔王』や『悪の化身』があります。(かなりわかりやすく紹介してくれている動画があるので貼っておきます)
この記事でも十二技音法を用いてホラーな感じの曲をなるべく、より雰囲気が出るように作り直すことを試みたいと思います。
実践
音源は、著作権を考えないで済むため以前自分が作った曲の一部を用います。
Before
この曲を構成する音のうち、一番最後に加わってきた金属音に注目します。MIDI上では以下のように鳴っています。
これを十二技音法で改めます。先ほどの動画で紹介されていたドラクエの曲での使われ方を見ると、おおよそ順番に、且つ高低差をつけるように音が並べられているように見えます。これを参考にして同様に自作曲の音も順番に、且つ高低差がつくように並べていきます。他の音色とも親和するように気を付けていきます。
早速聞いてみます。
After
おわかりいただけただろうか
この曲自体、他の音についてもコードや和声をあまり考えずに並べられているので、ある意味無調音楽としての特徴を元々備えていたのですが、「十二技音法」という先人たちが編み出した技術を用いたことで、微妙かもしれませんがより曲の不気味さが出たと思います。
終わりに
コードや調性、和声といった難しいと感じるであろう部分を全て取っ払って曲を作り直してみました。勿論、無調音楽だけでは作られる曲の種類がかなり限られてきますので、幅広く様々な曲を作っていきたいとなるとやはり、調性音楽を勉強していく必要があります。ただ、今回紹介した技は無調音楽だけでなく、調性音楽の旋律などにも用いることができます。適宜用いてみることで、調性音楽だけを学ぶ以上に作曲の幅が更に広がると思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
では。
Posted on: 2019年12月18日, by : まんたあにど (T∞T)