音作りのポイント part1
参考曲 Heart-quake
(1)ホワイトノイズを使う
ノイズなんて邪魔でしょと思われがちでしょうが、あなどるなかれ。ノイズは人間にとって親しみやすいものだと思います。フルートには少し息を吹くことのノイズが入りますし、雨の音とか、打撃音にもノイズは沢山入っています。外乱などではなく、必然の音でしょうが、電子音にとっては非常に複雑で把握(計算)することの出来ない”ノイズ”なのです。ホワイトノイズを使って代用しようというのがもともとの発想です。
縦軸時間、横軸周波数の図。
まずは目標となる音を見つけて分析します。これは staind – “this is it” をスペクトログラムで見たものです。中央から上側のなんだか良くわからない音の密集したところがサビの部分です。そこでは3~5kHzのところでノイズのようなものが目立ちます。ここでホワイトノイズを使用してごまかせば何とかなりそうです。
下側はサビの後の最後でギターとベースが音を伸ばすところです。全体としては低音が強いということ、音に揺らぎがあることと、周波数では上が7kHzまでときっちり分かれているのがわかります。
また緑色で印をつけましたが、4~4.3kHz程度のところで色が黒く(=音が少ない)、大体3khzぐらいまでかな、と思い音作りに入ります。
細かい調整は実際の音聞いてやります。分析結果を参考に好みの音にしていきます。これはあくまでノイズなので目立つ音(要らない音)はどんどん消していきます。ノイズ自体の音量も出来るだけ小さくします。結果、下図のようになり、studio one のエフェクトだと安定して出ない高周波数の音を補う感じになりました。微妙な音はマスキングで消えますが、ホワイトノイズはランダムで音の大きさが上下するので、うまくいけばこえる”瞬間”があるように感じます。こんな感じで深みを出せるのがノイズの良いところです。2.4kHzはお好みで入れました(味付けしすぎに注意)。ノイズはいろんなところで発生する自然な音なのです(笑)
その音
意外とうるさくない?!気もします。後ほどあわせた音を紹介します
次回は、
(2)似たような楽器を使って料理をする
です。
Posted on: 2015年9月18日, by : Qchan